大木町三八松の家 かってにリノベーション設計

家について

先日妻がたまたまネットで発見した大木町の中古住宅を内覧しにいきました。142坪の土地と34坪の主屋、納屋までついて価格なんと480万円!やすい!

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https://www.f-takken.com/freins/items/99486347?1714111713665

現状

田んぼに面した敷地に建つ1968年築造の木造2階建て住宅

2018年ごろか?割と最近まで使われていた様子で物が残っているものの中は割と綺麗な様子。風呂、トイレも割と新しくこのまま手を加えずとも住める状態でした。

間取りは図のように南面に縁側と座敷2間があり、北側に水回り、寝室がある、昔ながらの民家の派生形のよう。家の中で一番環境の良い座敷は仏壇に手を合わせるか接客するときにしか使われず普段はその周りの現代的住機能のある空間を主に使うという封建的住空間と呼ばれるタイプの間取りとなっています。

何も置かれない座敷が南側にドンとあって庭でも眺めながら座禅でも組むという暮らしも一周回って現代の一部の人にウケる気がしますが、現代の生活スタイルに合わないと思われる方が大半でしょう。ソファーは置きにくいし、キッチンは隅に追いやられているし、食卓は狭いです。環境が一番いい場所を長く居る空間にした方が良いと思います。また2階が載っている下に壁が少ないので耐震上の心配があります。

考えてみる

というわけで誰に頼まれたわけでもありませんが、どんなことができるのか気になるのでリノベーション案を考えてみます。解決すべきは

・間取り、内装が現代のライフスタイルに合わないこと

・2階が載っている直下の1階に壁が少なく耐震性に心配があること

の大きく2つです。リノベの設計プロセスの参考になるかと思いますのでぜひご一読ください。

設計プロセス1.壁を増やす

順番が逆になりますが、制約が強い事柄から決定していきます。上図に示すように現状2階が載っている1階の部分に壁が少ないことがわかります。天井裏や床下を調査して構造を確認する必要がありますが、年代、外観からしておそらく在来工法ですので壁を増やすことで耐震性を高めることができます。

赤線の位置に壁を増やす計画をします。2階の壁の外周の直下に壁を増やすと有効に揺れを抑えることができます。しかしそうすると1階の座敷の境に壁が立つことになります。これは耐震補強あるあるで座敷空間の魅力を損ねがちです。が、今回は座敷をそのままの座敷ではなくするので良しとします。

耐震上、壁を作るべき位置が現状の間取りにあっていないこともしばしばあります。今回はなるべく合わせるように壁の位置を変えてみます。そこに新たな使い方を合わせる感じです。

設計プロセス2.間取りを変更

壁の位置をきめましたので、間取りのパターンを考えます。いくつかパターンがありますが、水回りの位置を大きく変えるとその分、配管工事が増えてしまうのでなるべく変えないで済むように考えます。とするとキッチンを置くエリアが決まり、動線を考えるとダイニングが決まります、リビングは一番環境の良い場所でキッチン、ダイニングから近い位置にしてみます。

寝室は2階にすでに2室あるので1階に主寝室を1つ考えることにします。これも東北のすでにある空間を使えば安上がりですので、位置が決まります。

南東の残りをどうするか?触らず置いておくということもできますが、今回はお店にしてみます。敷地への道が狭く敷地内に止められる車の数も限りがあるので予約制のお店、ネイルサロン、整体、美容室などが良いかもしれません。客層の狭い雑貨屋さんや古本屋さんもできるかもしれません。事業がうまくいけば納屋もあるのでこちらもリノベしてお店にできそうです。近所には交渉次第で駐車場にできそうな空き地もあります。

お店をできるだけ大きくしたいので階段の登り口を変え、廊下をお店の広さに含めます。

トイレをお店用にしてしまうので住居用に1つ足しておきます。

中央部にまだスペースが余っています。現代的にファミリークローゼットにします。

玄関からの進行方向もお店を広くするために変えます。すると入って一室目が接客スペースとして丁度良さそうです。普段はワークスペース、子どもの勉強スペースとして使えそうです。

設計プロセス3.図面にしてみる

下絵をいくつか描きます。

良さそうな下絵をCAD化して、CAD上でも調整をします。現況図と重ねてみます。このように変わります。

テクスチャーを入れてみます。

設計プロセス4.立体的にみてみる

3Dにしてテクスチャーを入れてみます。どうでしょう?現代的な暮らしができそうな空間に変わったのではないでしょうか?

最後に

不動産屋さんの間取り図と実際に内観した感覚をもとにリノベーション案を考えてみました。

以上、書いてきたリノベーションを実際に実現するにはいくつか現況確認が必要な点がありますので、このまま実現できることを確約するものではないことをご承知ください。特に接道状況の確認、排水経路、浄化槽の種類、基礎の状況、構造の状況、屋根・外壁の痛み具合などの確認が必要です。

当リノベーション案にもしご興味いただけましたら、是非ともお問い合わせより当事務所へご連絡ください!

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