鈴木大拙館

建築探訪

設計:谷口吉生

竣工:2011年7月

場所:〒920-0964 石川県金沢市本多町3丁目420

数日前に座禅体験をしたのでこの建築のことを思い出しました。鈴木大拙(1870-1966年)は金沢市出身の仏教学者で日本の禅文化を海外に広く知らしめた人物です。

設計は谷口吉生。美術館の名手として知られています。私の好きな建築家の一人です。これまでに豊田市美術館、東京国立博物館法隆寺宝物館、広島市環境局中工場、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、京都国立博物館平成知新館を訪れました。ばっちりモダンだけれどどこか和の要素があるように感じます。また、どの建物でも異部材同士の目地がぴっっっちり揃えてあって狂気すら感じます。谷口事務所のスタッフになったらさぞかし大変だろうと想像してしまいます。どれも細部までデザインされた緊張感のある建築という印象です。

彼の建築では大きい門のような庇、ルーバー、水盤、がよく使われますが、ここでは門はありませんでした。彼の設計した建築の中では小規模な方かと思います。そのせいでしょうか。

①より 入り口正面

平面図(写真位置)

平面図の②③から入館せずとも水鏡の庭を見ることができます。近隣の方は羨ましいです。散歩がてら瞑想しにいけそうです。

②より

③より

④より

建物自体が展示物のよう。記念館ですが、鈴木大拙に関わる本などの展示物は少なく、説明もほとんどありませんでした。場所を体感してもらうことを主題としているようです。現に建築に場所の体感を促されるようです。

ある時間が経つと水面が自動で波立地ます。ししおどしのような役割でしょうか。

⑤より

展示空間を出てすぐのところで皆さん休んでおられました。僕もここでスケッチしました。見せ場の一つなのでしょう。

⑥思索空間内部より

座禅を組めそうな空間です。

⑦からスケッチ

思索空間の外観は正方形のプロポーションをしています。どういう理由で高さを決めたのでしょうか?思索空間内部は池を眺める設えになっていてあまり広くはなく用途的にもここまで高い必要はなさそうです。水盤の大きさに対してのバランスでしょうか?

晴れた日は水面の揺らめきが白い外壁に反射するようです。外からぼんやりと眺められることを踏まえてデザインされているように感じられました。

内部手摺スケッチ

かっこよかったので、現地でスケッチし持ち歩いていたメジャーで測ってきました。

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