設計:ルイス・I・カーン
竣工:1963年
ラ・ホーヤシティーバンク壁画
2019年7月に見学しました。サンディエゴ、ラ・ホーヤに宿泊したのでそこから向かいました。バスがありましたが50分ほどかかるようなので、15分で行けるUberを利用しました。タクシーはほぼ走っていないので車はUber一択です。ラ・ホーヤにあるシティーバンクの壁にソーク研究所の絵が描かれています。それほど一般に認識されているのかと感心しましたが、私が乗ったUberの運転手は建物の存在を知りませんでした。
ゲートから
見学者が多いようで、ゲートに看守がいて受付をしてくれます。webから予約と見学料$7.5の入金が必要だったようで、門の前で予約・入金し入れてもらいました。見られるのは中庭のみでした。
配置(グーグルマップ)
1955年にポリオワクチンを開発したジョナス・ソークが創設した生物医学系の研究所です。
コンクリート打ち放しの研究棟が広場を挟んで東西を軸に対称に並ぶシンプルな配置です。
中央水路
南棟
北棟西端
西端カフェテラス
広場見返り
階段棟
サンクンガーデン
階段
階段手すり
通路
階段棟立面
チーク外壁
広場の床はトラバーチン(石灰質化学沈殿岩)外装に使われている木材はチークだそう。
設計する人は立面(ある面を真正面から見た時の姿)のプロポーション、重量感、バランス感、間伸びしていないか、逆に情報過多でやかましくないか、を気にします。個人的には実に真似したくなる立面です。マニアックな感覚だとおもいますが、目地の入れ方がカッコいいです。
広場
これだけの広い屋外空間を作るに植栽を植えないというのは結構勇気のいることだと思います。間伸びしないか?という心配があっただろうと思います。設計者ルイス・カーンが作庭の名手である建築家ルイス・バラガンを呼び寄せて助言を求めたというエピソードは有名です。彼は、ここは庭ではなく広場(プラザ)になるべきだ、と助言したそう。
立ってみて植栽が無いことが功を奏していると感じました。植栽がない分、空・雲・海・風・光・影が感じられて、それらで十分広場が満たされているという感じ、といいましょうか。建物と床できりとられた空しかない景色に見えますが、建物の陰からカモメが飛来し水路で休んではまた飛び去っていく、ゆっくりパラグライダーが通り過ぎていく、雲が移ろっていく光景を眺めていると意外と飽きずに長居できてしまいます。1時間は居ました。
水路手前の石段の中央に座ると水路が海につながっていくように感じられます。海へ伸びる水路が自分と世界(空・海)を繋いでくれているような感覚がありました。
説明的な言葉では伝わらない感動のある詩のような建築だと思います。
空は空想するためのキャンバスのようにも見えます。
リラックスできていいアイデアが浮かびそうです。
碑文
広場に入る手前の床に刻まれています。
「希望は夢、想像、夢を実現させようと挑戦する人の勇気の中にある」
ここに立つとこの景色を前にこの言葉が刻まれている訳がわかる気がします。