協会の古民家調査は古民家の活用に向けコンディションを正しく知るための調査です。
大きくは
・古民家のコンディションが明確になる「古民家鑑定」
・ロボット調査により床下の状態が判断できる「古民家床下インスペクション」
・専用機器を用い伝統構法の耐震性能を判定する「伝統耐震性能評価」
からなります。
引用:http://www.g-cpc.org/consultation/support
今回は古民家床下インスペクション、伝統耐震性能評価の様子を見学させていただきました。
古民家床下インスペクションは床下をラジコンのように走らせることができるロボットで行います。ロボットから送られてくる映像をパソコンで確認し傷みの有無、湿度などをチェックします。
伝統耐震性能評価は専用機械で建物の揺れ方を計測し、柔らかく揺れる伝統工法の性質が強いのか、硬く揺れる在来工法的な性質が強いのかを調べます。どちらの性質が強いかによって補強する際の方法が変わってくるためです。
簡単にいうと伝統工法というのは古来からの建築工法で柔らかくしなるように揺れることで地震などの揺れに対応する工法、
在来工法というのは建築基準法の施行と共に1950年代ごろから普及した、全体を硬くすることで揺れに耐える工法です。
建設当初の骨組みが伝統工法でも、その後のリフォームなどでフローリングが張られたり、在来工法での増築があったりすると揺れ方がしなやかでなくなることがあるようです。
今回の住宅は明治10年ごろの築造で、瓦屋根の一部2階建。軒が深いため濃く出た陰影と漆喰塗りの白壁がコントラストとなって目を引く大変風格のある住宅でした。10年ほど空き家であったのちに今はシェアハウスとして7年ほど使われているそう。町の風景にとって重要な建築だと思うので、適切なメンテナンスを受けて今後も長く使われていくことを願います。